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「パクリ推奨」III

えーすみません、いろいろ他にかまけておりまして、カキコが遅れました。

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「パクリ推奨」論争が始まったときの話…数日前のことである。
私は、「パクリ推奨」でグーグルのフレーズ検索をしてみた。

1番目の記事は……、
『「セブンティーン」が読書感想文のパクリを推奨』という衝撃的なもの。
衝撃的でしょ!衝撃的!だって、出版社なんて、著作権でおまんま食ってr(ry

(いま検索すると、なぜか2番目にうちが出るんですけど orz)

集英社に言いたいことは、このリンク先のブログ様がほとんど書いてくださっているので略。

あえて付け加えるとすれば、先のブログ様が書いてない、
「ネットの感想をかきあつめて学校に提出するガキどもお子様たちをどう思うか」

本を読むことがキライなお子様が、感想文を宿題に出され、ネットの感想を見て、"感想文"を捏造する。

「罪の意識がないのかしら、いまどきの子供たちは」
と眉をひそめることはカンタンですが。

"罪の意識"はあると思いますぜ?
自分で宿題をやらずに、友達のノートを写させてもらったのと同程度には(笑)

ネットの感想文をパクるのと、友達のノートをパクるのと、大きな相違点がもちろんあります。
それは、友達は「ま、しょうがないな」といって、ノートを見せる。硬い言葉でいえば「許諾」がある。
ネットの感想文を書いた書き手には、そんな許諾はない。
その差異を、子供が自分で思いつけるか。
子供のレベルにもよりますが、けっこう難しい気がします。それは、大人が教えるべきことかと。

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ところで、
最近、トレースで世間を騒がさせていた少女漫画
をよく知らなかったので、検索しました。

たぶん、これ↓かと。
漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証。最初に火がついたのは、末次氏が『スラムダンク』のトレースをやっているんじゃないか、というあたりから、話が燃え広がっているようなのですが、その元ネタである『スラムダンク』にも写真トレース検証サイトが^^;

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理屈じゃなくて、感情で。

イヤイヤ書く宿題をパクる子供より、金もらってるくせにパクるプロが、好きくないです。
締め切りに追われるなかでパクるプロより、さらにもっと、誰に強制されているわけでもないのにパクるアマが、好きくないです。

と、思っていたら。

ネットさまよいすぎて、もっとイヤなものを見つけた。
サイトをつくる手間さえかけず、「あのサイトの管理人はワタシなの」と名乗る輩。そんなのいるんだ…。知らなかったよ…。

ぱくり論争を読まれる(軽汗

「…【ぱくり】論争を読む夜長」を拝読。
(トラックバックになってなかったので、こちらからも一応ノーリンクで…)

読…、よまれてましたか。

と、苦笑して読み進んで。


苦笑の後は、タメイキが出ました。
自分も通いつめたあのサイトで、盗作事件があったとは。


あの頃を思い出します。
R氏とネタがかぶってかぶって、それはどちらがどちらを真似ているのではなく、物の考え方の根っこが似ているのと、使いたいキャラが重なるせいで、盗作とかでは絶対になかったにもかかわらず。

R氏のほうが執筆を中止してくださったケース、こちらがストーリーを変えたケース、「そんなに似てるなら一緒に書いちゃえ」と共作になったのまであったような。

「あんまり似てると判ると、先を書く気力が萎えるんだよね」
そんな話もした記憶があります。

「似すぎていたら、萎える」、私たちにとって、当たり前の「感覚」でした。


「あの事件」の悲しさと衝撃も思い出しました。



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 少し話題がそれます。


 「模倣の作品を公表するか?」
 正直、「なにを模倣するか」にもよると思います。

 現在、発表しているモノのなかで、特定の作家さんの「文体をめざした」ものは、あります。ワンセンテンスをそのまま引っ張る、といったことはしていませんが、句読点の打ち方に代表される文章の息遣いや、“このくらいの硬さの語彙”といった言葉の選び方は、その作家さんを「めざして」意識しています。

 ただ、幸か不幸か、文体は、私のようなヘタレが「めざした」くらいでは、同一にはならず。
──客観的に見て、同一どころか、あまり似ていません。<へたれすぎ

 これまで「盗作」とか「発表すべきではない習作」とされると、ちとツライ。

 その一方で、鍵となる台詞やストーリーの全体、それからSFとして中心になる「ネタ」を“模倣”して、オリジナルとして発表するのを見たら、眉をひそめると思います。

 □□□
 
 "鍵となる"台詞って。ちょっと限定かけちゃいました(笑)

 一時、『十二国記』オンライン、というオンラインゲームをやっていました。ゲームシナリオは、原作者・小野不由美氏ではなく、ゲーム会社サイドのライターさんが書いたものでした。そこで「世界は美しくなんてない。だからこそ美しい」というセリフが登場しまして。
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 大騒ぎになりました(爆)

(「世界は美しくなんてない。だからこそ美しい」…時雨沢 恵一氏作『キノの旅』の巻頭言)

 ゲーム会社サイドから公式の謝罪文が出て、シナリオもその部分はさしかわったはずです。(その部分を確認するためだけに再度プレイするほど暇でもなかったのでw)


 言葉は、たとえば、5-7-5の17音でも「作品」になりうることは言を待ちませんが。

『「まったく、なんなんだよっ」と彼は言った。』
みたいな、"ありがち"な一行が今まで読んだ誰かの作品のなかにあったから使えない、となったら、なかなか苦しいものがありますし。

 実際には、この間の事例が山のようにあるはずで……。

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 それにつけても、第三者が「あれはどうか?」と問い合わせていらして、書いたご本人が(へんな言葉ですが)ゴネもせずにWEBから下ろした、というのは、やはり、よほどのものであったのだろうと思います。

 ただ、まあ。真似たくなるクォリティだった、というのは、密かに賛同(爆)
 っていうか、あのサイトにしばらく入り浸った後は、あの文章の凛としたリズムに首まで漬かってしまい、いつもの自分の文体に戻るのに、リハビリが必要だった記憶があるんですけど。

ほっとしました

えー、ここ数日の論争(^^)のまとめとして、姫サマのブログで丁寧な返信をいただきました。

たぶん、これで誤解の部分は解け、意見が違う部分はそれなりに違っていい部分ということになった気がします。
なんかすごく、ほっとしました。

タイトルは「言葉の使い方が悪い」になっていますが、姫サマの言葉の使い方が悪いわけではもちろんなくて、「?」と思ったときに玉砕的にご本人に尋ねてしまう、タコがわるいのだと思います、すみません。
(阿檀はタコノキの一種です、にこっ)

さらにほっとしたのは、
>この議論も楽しかったので
と言っていただいたこと。

ひさしぶりに、というくらい、いろいろ物を考えまして、勉強になりました。

方言というのは、たしかに、考えていませんでした。
東京生まれの盲点かもしれません。
(ちなみに。東京生まれって、言葉に向き合っていくには意外に不利な気がします。だって、日本語を1種類しか身につけてないんです)

>どこで、言葉の優劣をつけていると取られたか、うーん、クールのところかな?

ハイ、そうです。
>お友達同士、顔が見えている同士ならば、きっと意味は通じるでしょう。
>でも、言葉にはいくつかの意味があるので、文章だけでは見えてこないとこもあります。
ここですね。

>言葉を使えばなんでも伝わる、などとは思えず、

そうかもしれません。

それでも、いくつもの意味があるとわかっている言葉を使う時には、誤解がないように、文脈を確かめ、言葉を足し、時には顔文字の助けも借りる。そうやって「言葉を使いこなす努力」をしていきたい、と思います。この言葉はこの意味には使えない、なんて、捨ててしまいたくはないのです。

そうまでして俗語/悪語を使う自由を手元に残しておきたがるのは、
……もしかして、私が「猥雑なSF書き」だから?(爆

公証人役場はオンライン作家の救い主になるか?

 この週末は、某所でひっそりと販売開始された自作掲載本を引き取りに行ってきました。(あ、プロじゃないです、アマチュアです)
 同人誌っていうと、2次創作物本というイメージの方も世の中に多いンですが、今回出たのは1次創作の本。学生時代から途切れ途切れに参加しています。
 毎年、5月と11月に本が出ます。昔はB5で大きく、表紙にも派手に絵が入っていたのですが、数年前から新書版になり、装丁も大人っぽいものになりまして。
 電車のなかで読める^^ …というか…、帰り着くまでに読んじゃいました^^<書き手の方は相変わらずコドモだw

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 そういえば、うちのサイトには、いわゆる著作権表示──「無断転載を禁じます」っていうあれ──が、ないですね(実はいま気づいた)。いままであまり気にしなかったのは、無断転載されるようなカッコイイ作品じゃないからっていうのもあるんですが。

──いざとなったら勝てる、と考えてた…ンだと思います。

 長いこと紙ベースで同人活動やってましたから、WEBに移行するときには、当然、リスクとメリットを秤にかけました。

メリット:
 一人でも多い人に、自作を読んでもらえる。

リスク:
 紙に比べてコピペで転載/複製が可能。→盗作されるリスク ですね。

 キャラ使われちゃうとか、世界使われちゃうとかは、紙ベースでも大して変わらないのですが……。
 あんなキャラ、誰も使いたくないと思うし(゚∀゚)。
 世界に関しては……、アキラメマス(きぱり)
 私も色んな方の構築した世界から、学んで来たのだし。自分の書いた作品世界からネタを引っ張られたら、「使わせてくださいって先に言っていただけたら、喜んで、って答えたのに」って枕を涙で濡らすかもしれないけど、それは私の「感情」であって、「法律的な権利」を行使する問題じゃない。盗作で問題にするような手間暇時間をかける前に、もっと上のもの書いて見返すことを考えます(爆

(枕を涙で濡らすような殊勝なタマか?、という突っ込みは、聞こえなかった方向でミ^。^彡っ)

 ほんとうに一番困るのは、それこそキャラ名だけ入れ替えたような、「どちらかがどちらかを真似したとしか思えない作品」で。
 相手が、
「この作品は、こちらが先に書いた、あなた(麻生)が真似たんだ、WEBから下ろしなさい」
 と、窮鼠猫噛み状態で反論してきた場合。【どちらが先に書いたのか】この1点が問題になります。

 ところが、うちのサイトの作品の場合。実は、上記の同人誌に載せた作品を、(編集サイドに了解を得たうえで)ほぼそのまま載せています。
 この紙の同人誌(奥づけもあるし、一緒に書いている仲間も、読者もいる)を証拠にすれば、「こちらが、いつ、最初に発表したか」は、証明可能だと思っているのです。これが「いざとなったら勝てる」の根拠。

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 じゃ、紙がない場合は? 典型的オンライン作家さんに、証明手段はないのか?

 こちらが書いた作品なのに! 盗作側が「自分が先だ!」と譲らない! 弁護士のところへ行って! 
「訴えたいんです!」
と言ったときに。

 最初に聞かれるのは、たぶん、「証拠になるものはありますか?」

 ローカルのファイル(自分のコンピュータとかディスクにあるファイル)のタイムスタンプは、変更できますからね。証拠能力はないと思います。
 WEBのほうのファイルが最初の発表のときからずっとそのままなら、もしかしたら、証拠能力があるかもしれません。
 たぶん、WEBサーバーのファイルのタイムスタンプを変えるのは、WEBサーバー管理者だけだと思うので。
 この項、あまり自信なし。ご助言歓迎 m(_ _)m

 もし、証拠能力あり、と仮定しても。
 WEBファイルって結構、上げなおしますよね、レイアウトを変えたり、誤字を直したりで。
 そのたびにタイムスタンプは、新しいものに置き換わってしまいます。
「ほんとはウチのほうが先にアップしていたのに!」
 タイムスタンプは盗作サイドより後になっている、なんてことも、ないとは限りません。

「日付を客観的に証明してくれる誰かはいないものか」

 ──います。

「公証人役場での確定日付取得」

 実は、コレを、著作権訴訟に使った例は聞いたことがなかったんですね。でも、知的財産権という共通項のある特許やノウハウの訴訟では普通に使われる手段ですから、無効ということはないはず…と、ググったら、一発で出たよ^^

著作権を証明する
>費用は確か1枚(1件?)700円位だった。
1件700円であってます^^

>最近は電子書類も確定日付してくれるみたいです。
ソフト組み込んだりちょっと面倒くさいw 

うーん、困ったな。

>反論しちゃったのは、私がもともと、「言葉狩り」がキライなことと関係あるかもしれんです(笑)
っていうのは、別に、姫サマを「「言葉狩り」と決めつけた」わけじゃないのですけど。

姫サマが
>創作に対するおかしな縛りと対決したいという意識がある。
>自由を尊ぶ人。創作の世界の広がりを望む人。
と書いていらっしゃるのを見て、ちょっと笑いました。
私ゃ、そんな大層な「創作者」じゃありません。


言葉の自由、ネットの自由、のほうが、近いかもしれないですね。

(私が某所で、他人の行動に縛りをかけてくる某氏とケンカしまくっていたことを、ここに来る方の一部はよく御存知(爆))
(もっとも某氏の場合は、他人の行動縛るより、ご自分の言動矛盾がはなはd(ry))
(今回のコレは、すくなくとも私の側では「ケンカ」とは思ってません。「まっとうな議論」です^^)

コホン。話題がそれましたが。

>自分の作品を盗作されたくない人は、是非、学ぶことに【パクリ】という言葉を使って欲しくない。
と、お書きになったときに、「“小説に関して”学ぶこと」という限定さえ付けていらっしゃらないことに気づいていらっしゃいます?

「言葉狩り」と“決め付けた”んじゃありません。「言葉狩りのようなもの?」と“疑った”から、ここまで議論をして、
>パクリをつかっちゃあかん! ってことではありません。
>【パクリ】という言葉愛用者への言葉狩りではありません。
という御発言を聞いて、いま、安心しているわけです。

正直、
「私は盗作を嫌うオンライン作家の一人として、「パクリ」という誤解の余地のある言葉を使わないようにしている。できれば他の人にも使ってほしくないくらいだけど、他人の言葉の使い方までは縛れないですね」
と書いてあれば、何の誤解もなかった。


あと、もう一つ。
手厳しいかもしれないけれど、私にとってとても大切なことなので、はっきり、書きます。

私は、WEBの言葉が、リアルの言葉に、劣るものだとは思っていません。
「リアルだから通じるけど、WEBでは誤解される」
「口語だから使えるけど、WEBでは使えない」
それは私にとって、肯定したくないことなんです。

WEBの言葉は、顔の表情も、声の表情もわからない。
けれど、その分、推敲ができ、文脈を整えることができる。

WEBという、コミュニケーション手段を信じる。──そのうえで、オンライン作家という趣味を、大事にしていくつもりなのですよ^^


えーとー。
一つ質問。
誤解があったまま(そしらぬ顔で)いたのと、こうして多少手間と時間がかかっても、それなりにお互いの考えが見えるのと、どっちがお好みですか? 以後参考にします。あんまり悩ませてはいかんと思った……(けっこうまじめに反省)