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うちのウサギは日記を書かなかった

あなたのペット自慢を!
いまはペットは飼っていないが。

最近、よく思い出すのは小学校の頃に飼っていた茶色いウサギ。ウサギといえば、白ウサギに赤い目だという人もおらるるようだが、茶色いウサギの目は、赤くない。真っ黒な、つやつやした、賢そうな瞳である。

わが家のウサギは、放し飼いにされていた。ちょうど猫を飼うように。
そして猫のように、近所を放浪した。

猫は、鳥籠の小鳥を狙うかもしれないが、鳥の飼い主は心得たもので、猫の届かない場所に鳥かごを置いておく。

しかし、ウサギの来襲を予想している人は、近所には少なかった。

庭先で丹精された草花や、ひどいときには、100m以上離れた八百屋の店先を、ウサギは襲った。とりわけ執心なのは、隣家の庭に植えられた、淡い緑が美しいシダだった。私の両親は、隣家との間にあった格子に板を張ってウサギが通れないようにしたが、ウサギは、板の下の土のところを掘りさげた。そうしてできた、狭い通路をすり抜けて、隣家への侵入を果たした。ウサギの体は、柔らかいのだ。

自分で飼うまで小学校のウサギ小屋に閉じ込められて何をする余地もない様子しか知らなかった私にとっては、驚くくらい、わが家のウサギは、工夫もできたし、根気もあった。

そのときに、ウサギは、けっこう頭のいい動物だと思った。──ひょっとしたら、日記くらいは書くのかもしれない。日々楽しみに拝読しております>ぽふさま