#「化学調味料不使用」禁止しないで
■食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会
いま。消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」という会議で、「『食品添加物不使用』という表示があるから、消費者は「食品添加物」が体に悪いものだと思い込むんだ、だから『食品添加物不使用』という表示を禁止しちゃおう。
」というハナシになりそうな雰囲気なんだけども。
→【参考資料】これまでの検討会で得られた意見
議論のなかで『化学調味料不使用』も同列……つまり一緒に禁止しちゃおうぜ、という流れになってるみたいです。
ワタシ、それ、困ります。
私は、「『味の素』たっぷりの味」が苦手で、「自分の舌にあう」ものを選ぶために『化学調味料不使用』の表示を頼りにしているので。その表示が無くなったら困ります。私は、私が美味しいと思う食品を食べたい。美味しいもの食べるのは人生の幸福の一つじゃないですか。幸福追求に対する国民の権利!大きく出てみましたミ^。^彡っヾ
■検討会アンケート
上記の検討会、「化学調味料不使用」を選ぶ理由についてアンケートを取っていて。最も多かったのは、安全と感じるためで61.7%。次に、健康によさそうなためが50.5%。以降、おいしそうであるため。特に理由はない。学校や家庭で食品添加物を避けるように教わったためと続きます。
食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会第三回議事録
アンケートの回答をみると、上記の「おいしそうであるため」というやや曖昧な回答の他にも、「化学調味料の味を好まないため」と明確に回答している人がちゃんといる。ただ「化学調味料の味」はわりに分かりにくいので、経験的に味で「化学調味料不使用」を選んでいる人のなかには「実は味が苦手」な人もいるんじゃないかな?とは思う。「味の選択」に使っている人がいるにもかかわらず、「だから禁止するのは止めようね」という議論の流れはないみたいなのよね。
■『味の素』を美味しいと感じる量には個人差がある
「化学調味料の味を好まない」人のなかでも、どの成分が苦手かは人によるかもしれないんだけど(未調査)、私が特に苦手なのは「味の素たっぷり」の味。主犯は、MSG(monosodium glutamate、グルタミン酸ナトリウム)。去年やった自分をモルモットにした実験、ネギに『味の素』を入れたものについて、私は「入れない」(ネギの天然のMSG量のみ)が一番美味しいと感じた。『遊離アミノ酸含量表』では、ネギのグルタミン酸量は、約0.04%。一方、味の素大好きを公言している料理研究家リュウジ氏は、1.2%入れたレシピを公表なさっていて、これを「美味しい」としている方もたくさんいる。
味の素を美味しいと感じる量には、大きな個人差があるのだ。(比較対象として、塩は30倍の個人差はない)
この個人差の広さについて文献がないか、旧記事以降、ときどき思い出して文献を探したりして。見つかったのは、かろうじて1報。論文の主旨としては、「味の素を入れることで嗜好性が上がる人が多い」ということなのだけれど、表を丁寧にみると、0.5%添加が「有意に好ましい」とされる料理でも、無添加を選ぶ人は居ることがわかる。(全年齢被験者59名中、ゴーヤチャンプルーでは4名、ほうれんそうのお浸し5名、鶏ごぼう飯9名)。
ネットで「主語を大きくする」ことが嫌われるのは知っているけれど。あえて「私たち」という語を使おう。
「私たち、『味がダメ』派から、選択のよすがを奪わないでください」
私は、MSGが毒だなんて思っていない。ただ、私の舌には野菜のMSG量があれば十分で、『味の素』を加えるとかえって不味くなる。だから、加えていないものを選びたい。そのためには今、「化学調味料不使用」という表示がとても役に立っている。その表示を、禁止しないでほしい。毒だと思ってる人たちのことなど、知ったことか。私は私が美味しいと思うものが食べたいんじゃよ。ミ^。^彡っヾ
■表示禁止で被害を被るのは
私の場合は、「味の素たっぷり」の味がダメなんだけども。人工甘味料の味がダメな人もいるよね……。私も知り合いにもいる。ダメな人は、口残りがヒドイらしい。「人工甘味料不使用」表示禁止になると、あの人たちも困ると思うんだ。■代わりの表現ってあるかな?
毒だと思ってるわけじゃないけど「化学調味料不使用」の表示は必要、という人間がいるにもかかわらず、どうしても「化学調味料不使用」を禁止するというなら。代わりになる表現があればいいかな、ってちょっと考えてはみたのよ。
たとえば、化学調味料ダメ派のためには「天然調味料のみ」・人工甘味料ダメ派のためには「天然甘味料のみ」なら通じるかな、とか。
ところが、
添加物の表示に当たって、「天然」又はこれに類する表現の使用は認められていません。
加工食品の表示
なんだってサ。MSGダメ派だけなら、「MSG不使用」でいけるかな、ってのも考えた。ジュース系で、果物由来のショ糖は入っていても「砂糖不使用」表示、あるじゃないですか。あのノリで。ただ、「砂糖不使用」の場合は、栄養成分表示欄に「砂糖」の量が載ってるんですよね。「MSG不使用」って書くためには、MSGの量を書かないとダメなんじゃないかな……。いま「化学調味料不使用」で出てる物って、(言ったらナンだけど)小さな会社が多くて。栄養成分表示書いてまで不使用表示してくれるかな。してくれないんじゃないかな。何かと大変そうだもん。
じゃあ、ってんで、無い知恵絞ったのが、化学調味料ダメ派のためには「培養物精製調味料不使用」、人工甘味料ダメ派のためには「非糖甘味料不使用」とか、なんだけど。
でもこれ意味わかります? 新しい言葉を創造して、それが定着するまで、どれだけ大変だろうと考えると、どうしてそんなことしなきゃいけないの?って思いますよね。……いますでに通じる言葉があって、すでに選択の役に立ってるのに。
■そもそも「食品添加物不使用」表示禁止の発想って。
食品添加物は毒じゃないものを選んで認可している→食品添加物を毒だと思ってる人は誤解→誤解をときたい。というのは、まぁ、分からないではないんだけど。その目的で「食品添加物不使用」表示を禁止するの、まわりくどくないです?
「食品添加物不使用」を表示するなら「食品添加物は健康に害がないもののみが国に認可されていますが、お客様の選択の自由のために、不使用製品を提供しています」という表示とセット!
……とかにしたほうが直接的じゃない?
科学的根拠がない表示は禁止!にするなら、ハラルとかヴィーガンとかも禁止にしないと、整合性とれなくないですか??ちょっとヤケぎみ……。ミ^。^彡っヾ
■いろいろほざいたけど、結論
味は食品の大切な一側面。味の選択にかかわる、「化学調味料不使用」「人工甘味料不使用」は禁止しないでください。……ご賛同いただける方、ご協力お願いします。
by as-o2
| 2021-09-18 17:16
| 日記のようなもの。