#ゼロ活力なべ で、クリーチャーの煮込み! #料理下手くそ選手権
1)クリーチャーの煮込み!

かく言う私も、「ゼロ活力なべ」という圧力鍋を買ってしまった。実はだいぶ前だ。去年の12月の話である。
ステイホームで、毎食自炊。一時、メインのおかずは「低温調理の肉」ばかりになっていた。私は血中コレステロール値(LDL)が高いので、肉の脂(飽和脂肪酸系の脂)は取らないようにしている。だから、肉は主に鶏ムネ肉か豚ヒレの脂の少ないパック。味付けは日々変えるとはいえ、さすがに飽きてきていた。
私は、外食すると、魚を選ぶことが多い。食べながら骨を取るのは、そう苦にならない。なのになぜ、自炊だと肉をチョイスしてしまうのか。ちょい顧みて、
「魚の骨のゴミが面倒なのか」
と、気がついた。ステイホームで、週に1度しか買い物に行かない生活なのに、魚のゴミが出る間は、毎日ゴミ置き場に行かねば臭う。
そんなとき、たまたま、「圧力鍋なら、魚は骨まで食べられる」という記事を目にした(どこで見たのか忘れた)。
「そうか!魚の骨は食べてしまえばいいのか!」
と、圧力鍋を買ってしまった。
圧力鍋が届いて「さぁ魚を煮るぞ」という日に、スーパーで目に入ったのが、鯛の頭である。
実家にいたころ、鯛の頭の煮付け……いわゆる「兜煮」は、食卓で「今日は、鯛の兜煮!」と声を弾ませる「大ご馳走」だった。実家では、牛肉のスキヤキと同じくらいの「ご馳走」ということになっていた。
が。本宅の近所のスーパーでは、鯛の頭は、1尾分(半割2ケ)200円で売っている。実家の父(関西出身)に言わせると、関西では高いというのだが。本当かどうかは検証していない。

と、思ったのだが。
:
「骨まで食べられる」ということは、
:
「骨は、盛り付けでも崩れるほど脆くなる」

「ごめん、今日もクリーチャーしか取れなかった」
「食べるものがあるだけいいじゃない。よーく煮たから、大丈夫、食べられるわよ」
小芝居が脳裏をよぎる。
なお、購入当初の目的だった魚の骨は。食べてみれば、よく知っている、缶詰の鮭缶の骨によく似ている、当たり前か。
「食べられるちゃ食べられるけど、ご馳走じゃないよねー」
とか嘯きながら食べているくせに、食べ終わったら
「あ、無くなっちゃった……」
と思う。誉め言葉を使うなら「後を引く味」というところか。
2)脂を除く、という性能
初陣はクリーチャー狩に終わった(←嘘)が、そのあと、この新しい玩具をいろいろ試すうちに、気がついた。圧力鍋で調理すると、肉から脂が抜ける。正確には、肉塊から抜けて、煮汁に浮かぶ。
普通の鍋で煮ると温度上昇は約100℃までだが、我が家にやってきた圧力鍋は128℃まで上がるらしい。この温度で、脂が融解して、肉塊から分離するんだと思う。
比べてみたのが、これである。牛すじを脂の量が同程度になるように分け、圧力鍋と普通の鍋で同じ時間煮る。
肉はザルで濾し、スープを一晩冷蔵庫で冷やすと、牛脂が白く固まる。左が圧力鍋、右が普通の鍋。圧力鍋のほうがたくさん脂が浮いている=肉はそれだけ脂が抜けている。

コレステロールが高い話は冒頭に書いたが、圧力鍋のおかげで、「脂抜きしてトロトロに煮た牛すじ」が食卓に加わった。
3)鶏の手羽先も骨まで食べる
以前も書いたが、私は、「味の素(MSG)過敏症(←私が命名したw)」のキライがある。市販の「スープの素」は、買ってみたけど「味の素(MSG)の不味味」がダメでゴミ箱行き、ということが何度もあった。「化学調味料無添加」に巡り合えたときも、酵母エキスの匂いが鼻についたりする。選択にしくじって捨てる罪悪感が、スープストックをとる面倒さに勝ってきて、「めんどくさいけど、諦めて自分で作ろ」となってきた。「本宅」の近くのスーパーは、鶏ガラを(めったに)置いていない。鶏の手羽先で、スープをとる。
鶏の手羽先と野菜(セロリの硬いところとか、余ったタマネギとか、シメジの軸とか)を圧力鍋に放り込み、「加圧25分」というがっつりめの条件で加熱すると、良いスープがとれる。浮いた脂を除いてから野菜を煮る。温野菜として食べてもいいし、さらに低温調理の鶏ムネ肉を放り込むこともある。
残った「野菜+手羽先」の固形分。肉は、旨味がほぼスープにとけだし、脂も抜け、「ダシガラ」の味である。美味しくない。骨はホロホロに劣化して、私の歯で嚙み切れる。そして、鍋の中では骨に守られていた骨髄には、まだ、旨味が残っている。

理屈上、脂肪は抜けてタンパク質は残り、そこに、骨のカルシウムと、骨髄の鉄分、野菜由来の食物繊維を含むはず。なかなか栄養価値がありそうな代物なので、どこかのプロの方がいいレシピにしてくださらないかなぁと勝手に期待している。たとえば、アサヒ軽金属さんとか?
4)というわけで。
……魚を食べようと決意して買った圧力鍋で、結局、肉を煮ている。
by as-o2
| 2021-09-10 00:15
| 日記のようなもの。