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コロナ籠城生活 塩ブタ作った。

 前の記事で、1%塩分で2日漬けただけで、肉の「歯ごたえ舌ざわり」が違ったのに驚いた、と書きました。
 「ハム」が、「ゆで肉」とは違う、独特の歯ごたえになるのって。かなり濃い塩でタンパクを塩変性した後、塩抜きしているんだと思っていたんです。たとえば、こんな感じ→「簡単!本格手作りハムの作り方」

 それが、意外にも、1%でも変性している感じだったので。じゃあ、ハムと同じくらいの濃さの塩に漬ければ、塩抜きなしでも、「ちょっとハムっぽくて、サラダやスープに入れられる」塩ブタが作れるのではないか、と思いつきました。(燻製まではできないので、「ハム」ではなく「塩ブタ」です)

(前記事にも書きましたが、肉の塊を買ったときに、バリエーションをつける、というのが、自分としてのメリットです)

 あちこちのサイトを覗いていると、こんな記事が。
岩塩には大量の硝酸塩が含まれており、塩漬けされた肉に浸透する過程で、硝酸還元菌によって硝酸塩が亜硝酸塩に変化してその役割を全うしてきました。本来の大切な亜硝酸の働きは別なところにあります。それは非常に致死率の高いボツリヌス菌に対する静菌作用と、肉の獣臭を独特の風味に変化させるメイキングフレーバーとしての働きで、食肉加工技術の中で欠かせないものです。

ハムソーセージレストラン歩人


 つまり、岩塩を使うと、「肉の獣臭を独特の風味に変化させるメイキングフレーバー」がつく、かもしれない。面白そう。



……と比べてみたのですが。

こんな感じでテスト

 塩分は(あくまで「バリエーション」なので)あえてやや強めの4%(通常のハムは3%くらい)、2日漬けこみました。なんだか生ハムみたいな色になりました(写真1番上、左が「食卓塩(天日塩)」・右が岩塩)
 低温調理は、塩変性で少し硬くなることを見越して、温度低めに設定(肉厚み3cm、58℃、6時間30分)。調理後に切ったのが写真上から2番目。
コロナ籠城生活 塩ブタ作った。_a0024690_13022127.jpg

 もともと低温調理だと、肉の中までは褐色にならないので。岩塩のほうが少しだけ赤が強めに残っている気もしますが、気持ち程度。
 食べてみると、岩塩のほうが少しマイルドで美味したが、それは肉との相互作用どうのというより塩の味かな、という感じ。岩塩だけが「肉の獣臭を独特の風味に変化」している感じは、しませんでした。
 これが、天日塩と岩塩で硝酸塩の量に差がないということなのか、硝酸還元菌がいなかった・足りなかったのか、あるいは漬け時間が足りなかったのか。よくわかりません。

 ただ、予想以上!に美味しかったんですよ……。肉と塩だけなのに。
 さっと焼いて、トーストに乗せる。ハムトーストではないんですけど、これはこれで「あり」の味。
 塩味強い塩ブタと、薄めの味の野菜を、一緒に口に放り込んで噛みしめると、肉の味が広がって野菜とまじりあう……。他人に「こう食べて」って指定したら、ドン引きされそうに思いますが、自分ひとりなら無問題。

 ま、籠城生活が終わったら、市販のハムを買いますけどね。たぶん。