インフルエンザ関連、とりあえず謝罪記事

……先週末、夜も寝ないで昼寝してたのは、秘密。おかげで、あちこち書きたい記事も溜まっているんだが。一番ヤバいとこ、とにかく片付けよう。

まず、謝罪。

 以前書いた記事「豚インフルがどうのと判りもしないで騒いでいる連中ちょっとそこに座れ 」に極めて不適当な表現があることに気付きました。
 あの記事は、罵倒系の記事ですので、「不適当な表現」の塊といえばそうなのですが。その部分は、まぁ、私の(評判という)リスクの範囲内かと。
 ただ、 「科学的に」誤解を招く表現は、マズい。以下の部分です。
 ものの喩えにでかい教室を想像してみろ。一人がインフルエンザに感染する。隣の奴はウイルスに晒される。免疫がなきゃ感染する。免疫がある奴がいれば、そいつが「壁」になって、「隣の隣」まで感染が広がる確率はぐっと低くなる。
 しかし、誰も免疫を持ってないウイルスだと「壁」がない。感染は広がりやすくなる。
「免疫がない」「誰も免疫を持ってない」という表現は、不適切/非科学的でした。お詫びして訂正します。



自然免疫と獲得免疫

 免疫には、自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫と獲得免疫の違いについて、いい解説がないかと検索してみたら、意外にも理化学研究所※がいい感じに絵も入って判りやすいです。 ※理化学研究所:イメージとしては堅物の権化きわめて学究的な機関である。
 マクロファージ、好中球、食細胞、ヘルパーT/キラーTなどの区別については上記リンク先の図示をご参照ください。

とても大雑把な、自然免疫の解説

 自然免疫というのは、大雑把に言うと、「ヘンなものが入ってきたら、とりあえず食う」という感じです。ヘンなら食います。新型インフルエンザでも食います。獲得免疫は、「抗原抗体反応」など、「特定の相手」を狙うシステムです。
 新型インフルエンザで「ない」のは、獲得免疫のほうだけで、自然免疫が「ない」のは重度の免疫不全症か、免疫抑制剤を投与されているなど、ごく特殊な例に限られます。
 なので、「免疫がない」という表現は不適切です。

とても大雑把な、非特異的免疫賦活の解説

 せっかく再度記事を立てるのだから、「非特異的免疫賦活」についても触れたいと思ったんですね。
 獲得免疫の「抗原抗体反応」っていうのは、「鍵と鍵穴」に喩えられるくらい、厳密なものでして。同じインフルエンザウイルスなのに、新型だと「鍵と鍵穴」が合わないから働くのはイヤだ、とか、ごねやがるわけですが。
 自然免疫は、大雑把にできてまして、適当な「異物」を与えてやると、「なんかきた!なんかきた!」と張り切ります。

とても大雑把な、免疫賦活食の解説と仮説

 で、この適当な異物というのが、大雑把にいうと「病原性のない、菌っぽいもの」のようなのです。「菌っぽい」といわれると、ピンとこない方も多いかと思うのですが。例えば、納豆(枯草菌)、発酵乳(乳酸菌)、キノコ(真菌)なんぞがこれに当たります。そのなかで、アガリクスがいいとか、なんとかがいいとか、色んな論文はありますが、大抵の論文は「よさそうなもの同士」の比較はしていません。「与えるか」「与えないか」だけの比較がほとんどです。しかも免疫の特質上、「身体にとってヘンなもの」のほうが効くような気がします。同じものを食べ続けるより、いろんな「菌っぽいもの」を、交代に食べたほうが効くんじゃあるまいか?と、半シロウトとしては大雑把に考えるのですが、それを検証した論文があるかどうか、ちょっと判りません。(かつては専門データベースにアクセスできたのですが、現在はアクセス権を手放してしまいました)
 ……というあたりでまとめようとしていたんですが。

とても大雑把な、サイトカインストームの解説

 今回のインフルエンザの場合、若年死亡者の死因として「サイトカインストーム説」が上げられていまして。要するに「免疫が強すぎちゃって暴走すると危ない」という可能性があります。
 で。「免疫賦活で自然免疫を頑張れば発症しないかもしれないよ」vs「でも発症した後にサイトカインストームの原因になったら困るじゃん」を比べたときに、天秤はどっちに傾くのか。そもそも免疫賦活食で「賦活」される部分は、サイトカインストームの原因になるのかならないのか。ちょっとまだ勉強不足なのですが、これの結論が出せるのを待っていたら、何時までも「謝罪記事」が書けねぃよ!(<また荒れ調) というわけで、とりあえず書いちゃいました。

 誰か……、教えてちょ。。。。あ。。。知恵袋で聞く??w
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by as-o2 | 2009-10-26 20:17 | 日記のようなもの。 | Comments(16)
Commented by jemini-web at 2009-10-28 22:47
ちょいと気になりましたんで、長文コメントですみません。

確かに他のHPでも自然免疫があるから「免疫がない」という表現には語弊があるとしている所がありましたが...通常の自然免疫だけではブロック仕切れない事が多いからインフルエンザ(流行性感冒)は「流行」する→話の流れとして獲得免疫の話がメインになりますから、「非科学的」という程の事では無いと思いますけどね。
(HIVウィルスの話をする時はちゃんと定義しないといけないかもしれませんが)

ただ、元の文章が「(獲得)免疫があると感染しない」という感じに読みとれてしまうのはマズいかも。
実際には(獲得)免疫というのは「特定の病原に対する抗体の『設計図』を持っている」というレベルなので、感染・発病の可能性自体は、ある。
免疫系が外敵を検知して抗体を増産するまでの期間を大幅に短くできるのが獲得免疫の利点だけど、それまではウィルスも増殖するワケでして。
Commented by jemini-web at 2009-10-28 22:47
(続き)
例えば新型用のワクチンで免疫をつけていても『多くの健康な人では、会社や学校を休むのが1日短くなるという効果しかないかもしれません』(国立感染症研究所インフルエンザウィルス研究センター所長/Newton 2009年12月号)という感じです。
(ワクチンは「重症化を防ぐため」という視点で投与するんだそうです)

なんぞと偉そうに書きつつ、かくゆうオイラも門外漢なんで、間違いがあったらすみません。
Commented by as-o2 at 2009-10-30 03:27
jeminiさん
リアル多忙できちんと調べきれてないのが申し訳ないのですが。。
>通常の自然免疫だけではブロック仕切れない事が多いからインフルエンザ(流行性感冒)は「流行」する
どんなスゴい流行でも、羅患率100%にはならないと思うんです。
この「羅患しない人」は、(なにかの理由で)ウイルスとの接触が少ない人もいるでしょうが、自然免疫で「ブロック仕切る」場合もあるのではないかと。元の記事の文章だとそういうケースがまったく読み取れない、出会ったら即!感染みたいな「煽り記事」になっちゃってませんか。そりゃだめじゃん、と思ったわけです、自分で。

[参考]>新型インフルエンザ感染者と接する医療スタッフが、知らない間に抗体が産生されている事がある
h)ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1030827670

[参考](1957年)>第一波で26%、第二波で30%
h)ttp://fujitaiin.net/j41.html
Commented by jemini-web at 2009-10-30 21:47
> 羅患率100%
そ...その発想は無かった(^ ^;
むしろオイラ的には「壁」という言葉が「絶対に感染しない」的なイメージにならないか気になりました。
(実際、ワクチンに過剰な期待を持ってる人は多いらしいですし)

ただ、それに繋げて「スペイン風邪でさえ感染率x%ぐらいですもんね~」と書けるかなぁ、とWikipediaを調べるとびっくり。
世界人口約18億人~20億人に対して感染者6億人。世界はWorldWarを開ける程の広がりを見せていたとは言え、単純計算で人口比30%は異常に高いですよ。麻生さんが参考に挙げているアジア風邪も、半年で人口の50%が感染って...自然免疫ダメじゃん。
まあ、スペイン風邪みたいに高確率で宿主を殺傷するほどの毒性を持つ「寄生する存在」というのは自然界ではむしろ例外的存在らしいですけど、まあなかなかに、なかなか。

今回の(5月頃の)騒ぎでインフルエンザはSARSのようには封じ込められない事や、あまり警戒レベルを上げすぎても医療関係者を中心に心身が保たないであろう事が解りましたから、今後の方針を見直す転機にしていくべきなんでしょうね。
Commented by as-o2 at 2009-10-31 17:25
jeminiさん
ああ、なるほど。「免疫があれば、感染しない」もダメですね。
「免疫がきっちりあれば、感染しない」くらいでないと。>表現

h)ttp://okwave.jp/qa5382433.html
>獣医師でウイルスに専門知識を有
するJagar39氏の回答が、興味深いです。
>「感染による免疫」はほぼ終生免疫
>変異の速度は速いのですがそれぞれの変異は小さなものなので、それぞれの差は僅かなものです。ですから、前年の感染免疫は今年のインフルエンザに"効くかもしれない"のです。効かないかもしれませんが。
>ワクチンは感染するより免疫の誘導能が低いので、ワクチンによる免疫は半年くらいしか持たないと言われています。
>獣医師なので、伝染病流行時の抗体価データの類はたくさん持っていますが、同じように罹患しても抗体価の上昇の程度は個体によって数百倍から数千倍も違います。その後の抗体価の下降の速度も大きな個体差があります。

>警戒レベルを上げすぎても医療関係者を中心に心身が保たない
そうなんですよね。医療機関が機能不全に陥れば、「たかが風邪」ではないもっと重篤な病気の人まで治療を受けられない事態に陥りかねない。
Commented by きる at 2009-11-04 18:57 x
遅いコメントですみません…医療従事関係の仕事をしている人として(って自分で書くのは変…すみません…)半ば義務も感じて業のようでもあります…感想含め追加情報をコメントいたします。長くなりすみません…
まず阿檀さんの記事は、わかりやすくて他の方にも伝わると思いました。合っていると思います。で語の定義ですが、感染率→厳密には罹患率または発症率。予防率→非罹患率または非感染率。ただし非感染は、血液検査をしない限り証明できないので正確なデータは困難。あと『キノコ同士での比較』(ワクチン開発)については先に参照URLを。頭抜いてます→idsc.nih.go.jp/training/21kanri/
Commented by きる at 2009-11-04 18:58 x
>新型インフルエンザで「ない」のは、獲得免疫(中略)「免疫がない」という表現は不適切
免疫がないと聞くと私は免疫を持ってない、にとります。『作る機能が先天的にない』とは意味が違います。どっちにもとれますが、この表現ならばニュースでも『ある年代は新型に似た過去のインフルエンザ免疫があるのでかかりにくい』と報じられたので一般的にも『獲得免疫の有無』ととるのでは。
それと記事を書く元になった記事で>免疫がある奴がいれば、そいつが「壁」に(以下略)
ここは合っていると思います。比喩なので意味を転換させて→『免疫機能』で獲得した免疫による防御、またはワクチンで先手をうつ、の意味で読むのでは。
Commented by きる at 2009-11-04 18:58 x
阿檀さんのコメント>どんなスゴい流行でも、羅患率100%にはならない(中略)「煽り記事」になっちゃってませんか。
なってません、はい。私は少なくともそう思います。文中の、罹患率100%にはならない、はイコール『免疫さえあれば全員感染しない』ではないです。さらに厳密には…感染予防で頑張るのは免疫じゃなく私らです。『感染=体内にウイルスが入る』、それを防ぐのは鼻や喉の自然なブロック機能や手洗い等だからです。それに感染しても発症しないことも(不顕性(ふけんせい)感染)。なので、『免疫はある程度ウイルスによる発症を抑える』もの。でも罹患率100%って恐ろし過ぎ、致死率100%はそれ以上。
Commented by きる at 2009-11-04 19:01 x
サイトカインストームは勉強しきれてないのですが、アナフィラキシーに機序が似てますね、過剰反応で自分を傷付けるのが。アレルギー(アトピー性皮膚炎等)が増えてるのと相関あるやも。
ワクチン開発ですが>大抵の論文は「よさそうなもの同士」の比較はしていません(以下略)
安全で効果大のものを作るのが最優先なので、最適な株が作れたらOK、あとは培養して増やす。キノコでいけば『シメジだと食いつき(効き)が甘い奴が出てきた!白シメジならどうだ!おお食いついた!よしこれで製造だ!』と、シメジでOKならエリンギを試す必要なし。疫学、お金、時間、耐性菌の問題もあるので難しいようです。キーワードはワクチン産業
Commented by as-o2 at 2009-11-05 19:17
きるさん
コメントありがとうございます。
たぶんですね、もともとの知識がある方があの文章を読めば「比喩だとして、このあたりはあの話だなー」という見当をつけていただけると思うのですが。
まっさらに何も知らない方も読むことを考えると、ちとリスクが残る文章だと思ったのであります。
もともと、マスコミの「煽り」への批判記事なのですから、自分が煽っちゃいかんだろう。ということであります。

>致死率100%はそれ以上。
ただ、致死率100に近いからエボラは流行しないのだ、という話はどっかで読みました。他に感染が広がる前に村が死に絶えてしまうのだそうであります、こわいです。
Commented by きる at 2009-11-06 18:34 x
…まずは連投で申し訳なく……→あの直後に、『どもども。』的なコメント入れたら5連投(!!!)
になるのでそれわあかんだろというくらいの判断力はありました(謝)
読んでくださって本当感謝です…

にしてもコメ300字は、小論文能力つけられますね(ええ2回は推敲しました…汗なははは)

煽っちゃいかん、は同意です、いわずもがな知ってるだろうの境界線拡大はいかんですね、日頃の自省も含めて。

致死→個体致死率100%、ですか、おおう。
Commented by straymind at 2009-11-07 06:49 x
思い切り横道ですが。

ほぼ100%致死率を持ちギネスブックにも記載されている感染症はHIV(エイズ)と狂犬病だそうです。どちらも宿主に異常に長く潜伏して、最終的に死に至らしめるウイルス感染症です。

エボラ出血熱はウイルス性の新興感染症で、野外株が野生動物の中で安定して存在していたものが、人が新たな宿主となるなかで迅速で非抑制的な症状を起こす致死的な感染症ですけど、致死率は80%程度のようですね。

ところで、新型インフルエンザもそうですが、パンデミックが予想される新しいタイプの感染症はほとんどすべて「事後的に疫学調査をしてみないとはっきりした挙動がわからない」という悲しい現実がありますから、予防対策としてはどうしてもオーバースペックなものになりがちです。これは仕方がないと思います。
Commented by straymind at 2009-11-07 07:24 x
連投すみません。
HIVも狂犬病も、感染率は低いですので念のため。ただし、感染経路などでだいぶ違いますが。
(HIVだと汚染血輸血は非常に高率だが一般には1%オーダー/1回性行為、狂犬病はデータがあまり出ていませんがおそらく15%程度。創傷面処置などの有無でも違ってくる)
Commented by as-o2 at 2009-11-07 20:23
straymindさん
>致死率は80%程度
あ……、、、うろおぼえでこの手の記事を書いちゃいかんですね。いま「エボラ 致死率」で検索したら、50から90くらいまでバラツキはありますが、100ってとこはなかった。100だともう発症したら治療を諦められちゃいますから、これまた「書いてはいかん記事」でした。すみません。

エイズは現状を追いきれてなくて、これまた検索したのですが。。。
h)ttp://oshiete1.goo.ne.jp/qa2542271.html
>私は感染者で有りますが 一昨年娘を出産しております。
重い。。。


きるさん
というわけで、100ではなかったです、面目ない。
Commented by きる at 2009-11-18 13:24 x
あ、いえ……こちらこそお恥ずかしや…近い分野で飯食ってるのに(と一人軽く自己嫌悪と反省)それにワード『致死率』出したの、私でございますし(汗)

straymindさん、ありがとうございます、知識増えました(嬉)

先日、新型インフルワクチンの若年層への接種を前倒しに、と厚労省が言って→一部の市町村はワクチン供給量等から『前倒し実施はしない』と明言。保護者にとっては『住む場所によって不利益(生死含みます、はい)が生じる』状態です。クレームは必至かなと。
公衆衛生での感染症対策で、こういうことを自治体まかせにするなんてどうよ…と思いますが、それこそ致死率低いからなのかしら、なんて。
Commented by as-o2 at 2009-11-19 12:27
きるさん。
ワクチンもねぃ……、なにかと悩ましいようですね。若年者しかり、医療機関関係者しかり。

今年、新型じゃないほうのワクチン、医者に相談はしたんだけども、ちょっとリスク要素もあったりするんで接種せんかったですww
ずーっと流行モノには疎いタイプなので、まぁなんとかなるでしょう^^