忙しいっていうのに。

 船に、乗っていたと思うのだけれど、よく覚えていない。頭が痛い。ひどく打ったらしい。
 自分の頭に手をやると、僕の頭には、包帯が巻かれていた。

 誰が手当てをしてくれたんだろう。見回して。僕は、僕の女神をみつけた。
「まったくも。手間かけさせてくれちゃって。しょうがないから、やったげちゃったんズラ、感謝してほしいっしょ、たくも」
 言葉づらだけだと、ぞんざいにさえ感じられるかもしれないけれど、それは誤解だ。ちょっぴり照れてるだけなんだってことは、僕にはよく判った。だって、彼女が巻いてくれた包帯は、ここでヒダをつくり、こちらでネジれが瘤を演出し、という具合で、アバンギャルドな彼女のセンスを物語り、厚みときたら5cmにも達しようというのだから。それがつまり、彼女の手厚い気持ちってこと。

 ただ…、なんだろう? 自分でもよくわからない違和感が、僕にはあった。

「ここ、海だよね」
「激、海っしょ。海、海、最高。亀は歩いてちゃ、だめよねー。泳がなきゃ、すいすい水曜は過ぎたけど、また来るし」

 彼女は、たくましくも美しいその腕で、泳ぐ真似をすると、ふわふわと体が浮き上がった。僕は、彼女がはるか上のほうにある水面まで去ってしまうのではないかと心配になって、彼女が肩からたなびかせている長い薄いスカーフを手で捕らえようとした。
 縦に平たくて赤いタイだの、横に平たくて黒と白のリバーシブルになったヒラメだのが、二人の間を泳ぎまわって、僕の邪魔をする。

 彼女は、もちろん、自分の勢いのコントロールを失うような真似はしなかった。ふわりと海底に降り立つと、
「なんの、なんの。また会いましょうの、しーゆー」
 とだけ言って、自分の部屋へ戻ってしまった。少しつれなくして見せて、僕の気をひくつもりなのだ。そんなことをしなくたって、僕はもう、彼女の虜なのに。

 彼女が住むのは、水底の岩盤の上に、岩を積んだ、ちょっとチャイニーズなテイストの城。絵心のない僕には、その複雑で繊細な輪郭を、紙に描きとることさえできないだろう。日に一度か二度、彼女とすれちがったりするだけで、僕は幸福だった。まして、彼女はときには食事に呼んでくれたりもするのだ。
 僕は、奇妙な違和感を自分の怪我のせいにして、この怪我が治れば、なにもかもうまくいくのだと、自分に言い聞かせた。

 その日も、僕は、とくにすることもなく、ぼんやりと海底に寝転んで、水面が光るのを眺めていた。
「貧乏ヒマなしっていうっちょ。まったく、マヌケづらして」
 いつもどおりの彼女の陽気でパワフルな挨拶が、まるで「知恵の輪」が解ける瞬間のように、僕の頭のなかでカチリと音をたてた。

 ヒマなしのぬけ。ないのは、だ。

「ここにいるべきなのは、君じゃない。『オトメ』だ!」

 僕が、すべての違和感を解き明かす真実を叫んだ、次の瞬間。僕は、夢から醒めるように、竜巻に巻かれるように、あるいはテレポートするように、どこかの砂浜に立ち尽くしていた。はるか沖合いに見えるのは、故郷の港の出口にあった、灯台の頭じゃないだろうか。海の水位が上がったというのか。そういえば、地球温暖化、なんて、言われていたっけ。
 もちろん、僕の手のなかには、凝った組紐のかけられた、漆塗りの小箱があった。

*****マグロ市祭り、恋文コンテスト*****
お題の相手に向ける、恋する恋文コンテスト。
揺さぶれ、心。
あしらえ、魂。
笑いを取るも良し。
感動を呼ぶも良し。

コメント投票方式で、是非もなくコメントの多い者が優勝!
優勝者は、次回の相手指名ができます!!
(相手は、マグロ市在住者に限る。含む市長!!)

開催期間: 先着30トラバあるいは掲載から一週間。
審査員: ブログを訪れる方々。
審査方法: 問答無用の、コメント数!
集計が面倒だとこまるので、自己コメントも数に入れちゃいます!
恥ずかしいのは自分だし^^

ポイント稼ぎの裏技として、幽霊アカウント作成も可!
これも、自己嫌悪物の自虐プレイ…

コメントの一番多い方の恋文に、アイス市長公認で、相手からの返事が来ると嬉しいなぁ

※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

祭り場: 近海マグロに焼きを入れる http://iceday.exblog.jp/

*****マグロ市祭り、恋文コンテスト*****


あ。テンプレ間違えちゃった。

第6回 トラバでボケましょう選手権

「広大な海に繰り出していったその船ですが、その後行方が分からなくなりました。
世間では難破してしまったのだと悲観的なニュースが流れましたが、
彼らが帰って来なかったのには別の理由がありました。
なぜ彼らは帰ってこなかったのでしょうか」

■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□
【ルール】
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 審査は1つのお題に対し30トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に
 お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。
 (自分自身のお題の記事にトラバして発表)
 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。
 (企画元ブログにてチャンプランキングも開催中!)

 企画終了条件は
 みんなが飽きるまで、もしくは企画者が終了宣言をした時です。

 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元  毎日が送りバントhttp://earll73.exblog.jp/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

[PR]
by as-o2 | 2004-07-09 21:22 | ひとサマのブログ | Comments(13)
Commented by poff0516 at 2004-07-09 22:33
ぽふです。
混乱しつつ読んでいて謎解きでかっちりはまって
うぉ!と唸りました。けたぐりを食った気分です。おみごと。
Commented by MemenCrital at 2004-07-09 23:00
だははははははは^^
最後の最後で、大爆笑させていただきました^^
ひー!
そう来たか!!^^;
Commented by uguugu333 at 2004-07-09 23:19
うお・・
いつか使おうと思ってたけど出てきてしまった(笑
回を重ねるごとにネタがかぶるのでだんだんきつくなってきます
おいらは前の御題を使おうと思ってました。
さすがに面白いです。
ほとぼりが冷めた頃に出して生きたいと思います
Commented by himaohimao at 2004-07-10 00:02
乙姫と乙女、確かにそっくりですね。
でも、乙女さんが乙姫だったら、竜宮城には行きたくないかも…
それにしても2つの企画をくっつけた発想には感心する前に笑ってしまいました。
Commented by nobu-si at 2004-07-10 00:56
お見事! これまた、凄いものを組み合わせてきたもんだ・・・(^^
Commented by sivaxxxx at 2004-07-10 01:27
強烈キャラの乙女ちゃんを使ってボケるなんて。
・・・・神業?
Commented by cousaku at 2004-07-10 03:26
みごとなコラボなんである。オチも素晴らしいぜよ!
あっ、初めましてキャプテン耕作でッス。
Commented by earll73 at 2004-07-10 04:09
えーーっ!!!
となりました(笑)
これはうまい。
Commented by (・(x)・) at 2004-07-10 12:16 x
はじめまして。(・(x)・)です。
あぁ~!なるほど!!ってかんじですね。うまいです。
Commented by nutschoco at 2004-07-11 01:56
す、すごい、斬新(>_<)
Commented by as-o2 at 2004-07-11 02:04
コメントいただいた皆様、ありがとうございました^^

でも肝心の乙女さんがあまりちゃんと描けてないw 30トラバつくまであと5席、という焦りと、リアルのほうもほんとに忙しかったのもあって、これが限界でした。。

また精進しますm(_'_)m
Commented at 2004-07-14 06:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2004-08-10 14:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。